フェイスマスク【シートマスク】市場は近年拡大を続けており、新規参入を検討する企業や個人が増加しています。しかし、製品の特性上「肌に直接使う」アイテムであることから、使用時のトラブル=ブランドリスクに直結します。
本記事では、これから美容フェイスマスク【シートマスク】を開発・販売しようと考える法人・個人向けに、実際に発生したトラブル事例とその具体的な対策方法を紹介し、製品づくりの根幹にある「リスクマネジメント」の重要性を明確にします。
1. 美容フェイスマスク市場【シートマスク】の成長とトラブルの実態
● 市場成長の背景-拡大する市場から見える将来性

- スキンケア需要の高まりとともに、フェイスマスク【シートマスク】の国内市場規模は2020年の約650億円から2024年には約800億円超へ成長(推定:矢野経済研究所)
- 越境ECの拡大、インバウンド需要の回復、セルフケア志向の強まりが牽引
- 新規参入ブランド・個人D2Cも増加傾向
● トラブルの実態-トラブルリスクを正確に意識する!

フェイスマスク関連相談件数(推定)= 化粧品全体の相談件数 × フェイスマスク比率(推定 0.40)
出典:国民生活センターの公開資料「PIO-NET 年度別商品別相談件数」該当カテゴリ:「化粧品(商品一般コード:120300)」フェイスマスクはこの中の一部であり、約40%前後を占めると想定
※相談件数のすべてが肌トラブルではなく、契約・表示・広告などの販売・法令関連トラブルも含みます
- 国民生活センターには毎年5,000〜6,000件前後の化粧品関連相談が寄せられ、その約4割がスキンケア製品(主にフェイスマスク・シートマスクを含む)
- 消費者庁は年間1,000件近くの広告・表示に関する指導を実施(例:「しみが消える」「若返る」など薬機法違反)
- SNSでは「使ったらかぶれた」「赤くなった」などの口コミが拡散しやすく、ブランド毀損につながるケースも多数。
フェイスマスク市場【シートマスク】は今後も成長が続くと見られますが、それに比例して使用トラブルや法規制違反のリスクも高まります。新規参入においては“肌に触れる商材=信頼が命”という意識を持つことが極めて重要です。
2. フェイスマスク・シートマスク使用時トラブルの代表例と発生率
トラブル内容 | 症状例 | 原因例 | 想定発生率(目安) |
---|---|---|---|
アレルギー反応 | 赤み、かゆみ、腫れ、発疹 | 植物エキス、保存料、アルコール等 | 約0.5〜2.0% |
接触性皮膚炎 | かぶれ、皮膚のひりつき | 香料、酸化防止剤、旧表示指定成分 | 約0.2〜1.0% |
長時間使用による乾燥 | 逆に肌が突っ張る、皮剥け | 規定時間を超えた使用、過度な保湿成分吸収 | 不定(使用法依存) |
使用トラブルは発生率がわずかでも、SNS時代においては一気に信頼を損なう要因となります。成分と処方の段階でのリスク制御が、ブランド継続の鍵を握ります。
出典:国民生活センター・日本化粧品技術者会(推定値)
3. 実際にあったフェイスマスク・シートマスクのトラブル事例
◆ 事例1:敏感肌ユーザーが赤みと腫れを発症(酒粕配合マスク)
- 酒粕由来成分による軽度のアレルギー反応
- パッケージにアレルゲン成分が明記されていなかった
対策:①開発者・清掃者は、原料の安全評価をどこまでしていたのか?製造業者による安全評価意識の向上②アレルギー物質の「表示強化」と事前の「パッチテスト推奨」明記
①原因となった「合成香料」の使用判断にあたり、製造者は当該原料の安全評価をどこまでしていたのか?製造業者による安全評価意識の向上
②アレルギー物質の「表示強化」と事前の「パッチテスト推奨」明記
◆ 事例2:香料によるかぶれでSNS炎上(大手ECレビュー)
- 合成香料が敏感肌層に合わず、低評価が拡散
①原因となった「合成香料」の使用判断にあたり、製造者は当該原料の安全評価をどこまでしていたのか?製造者の安全評価意識の向上
②安全性で評価されている香料や天然精油の使用
◆ 事例3:薬機法違反の広告表現で製品回収(効能強調)
- 「肌の若返り」「しみが消える」など違法表示
- 厚労省より指導、回収命令(例:アート・コスメティックス)
→ 対策: ①広告表現の監修体制(外部薬事チェック導入)、表現ガイドライン整備②製造者は使用原料の安全評価をどこまでしていたのか?製造業者による安全評価意識の向上
実際の事例は、想定外のリスクが現実化した瞬間です。先例から学び、“次は我が身”と捉えて未然に防ぐ姿勢が求められます。
4.フェイスマスク・シートマスク 開発時に考慮すべき基本ポイント
観点 | 内容例 |
---|---|
処方の安全性 | 比較的トラブルの少ない、弱酸性/アルコール・香料フリー/旧指定成分不使用 |
成分の信頼性 | 化粧品原料選定・購入時、原料メーカーから「安全性に関する資料」、「製品仕様書」、「品質保証書」、必要に応じて外部機関による検査証明書などを徴求し、安全性とリスク内容を把握すること |
パッケージ情報 | パッチテスト推奨、使用時間、使用頻度の明記 |
製造工程の管理 | OEM工場での試験記録/異物混入・pH・微生物検査体制 |
“売れる処方”と“安心・安全で続く信頼”を併せて作る処方が勝つ。
フェイスマスクは、成分・表示・パッケージ・製造まで一貫した安全設計が不可欠です。
消費者が気づかない部分こそ丁寧に作り込むことで、真の差別化と支持が生まれます。
5. トラブル防止の基本設計フロー図!
【フェイスマスク製品設計の安全対策フロー図】
原料選定 → 処方組成 → パッチテスト実施 → 法規チェック → パッケージ設計 → SNS炎上リスクチェック
美容液製造時に、安全性評価をされている「ベースバルク」を活用する。差別化となる新原料も「成分信頼性」を示す各種資料を確認する
※各ステップで「チェックリスト化」することで抜け漏れ防止
☑ | 設計ステップ | 具体的な対策内容 |
---|---|---|
第1ステップ | 原料選定 | アレルゲン除去・安全性評価 |
第2ステップ | 処方組成 | 低刺激・適正濃度設計 |
第3ステップ | パッチテスト実施 | 第三者による感受性確認 |
第4ステップ | 法規チェック | 薬機法・景表法対応表現の整備 |
第5ステップ | パッケージ設計 | 使用時間・注意書きの明記 |
第6ステップ | SNS炎上リスクチェック | 口コミ対策・FAQ整備 |
6. リスクを超えて成功するため
以下のような視点での製品設計が、長期的な顧客との信頼関係を築きます:
- 「誰でも使える」ではなく「使える人を明確に」
- 訴求より“正確な表示”と“継続性”を重視
- トラブルが起きても迅速に対応できる体制整備
現在の美容フェイスマスク【シートマスク】開発の主流は美容液を低刺激美容成分にすることで安全性をより重視する傾向になっています!
7. 弊社のご提案(OEM受注のご案内)
当社では、フェイスマスク【シートマスク】に関して以下の支援を提供しています:
- OEM製造(国内・韓国工場対応)
- 薬機法対応済み広告制作サポート
- アレルゲン設計済み処方提案
- EC販売対応用のリスク予防パッケージ設計
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